ラウンドテーブルディスカッションの概要
3月15日(水)13:20~14:50
テーマ①「大学体育授業におけるルーブリックの活用」
企画・話題提供:小林 勝法(文教大学) 平工 志穂(東京女子大学)
近年、大学教育において導入されはじめているルーブリックは、成績評価や教育効果の検討を行う際の客観性、透明性、厳格性などをもたらすと考えられ、様々な効果が期待される。
本ラウンドテーブルでは、ルーブリックを大学体育授業に導入する場合、どのような手法が有効でどのような効果が期待されるのか、各大学の導入事例や導入のための調査事例を参考にしながら考えてみたいと思います。
ルーブリックを導入しておられる先生、これから導入予定の先生、大学体育教育の成績評価や教育効果の検討に関心をお持ちの先生方のお越しをお待ちしております。
テーマ②「安全で楽しい授業創造を目指した球技のティーチングティップス」
企画:北 徹朗(武蔵野美術大学) 話題提供:服部 由季夫(星槎大学) 浅井 泰詞(目白大学)ほか
多くの大学で授業改善の推進はされているが、大多数の教員は大学で教育に従事し始めるまで、それに向けての教授法トレーニングなどを受けてこなかったのが実情である。近年、大体連では大学院生や初任者教員に対するFDを開始しているが、実際の授業展開方法や指導バリエーションなどの細部の事例を学ぶ場はまだ充分ではない。
そこで、大学体育として多く行われている球技スポーツについて、各話題提供者より展開方法の工夫などの事例を披露して頂き、各大学・各授業の状況に応じた応用実践について検討したい。球技は、ゴール型、ネット型、ベースボール型、ターゲット型などに分類されるが、安全で楽しい授業創造のための実践について各事例を参考に議論したい。
テーマ③「アクティブ・ラーニングを用いた大学体育」
企画・話題提供:田原 亮二(名桜大学) 中山 正剛(別府大学短期大学部)
中央教育審議会(2012)は、大学教育の課題を「従来のような知識の伝達・注入を中心とした授業」では、「生涯にわたって学び続ける力、主体的に考える力を持った人材」は育成できないと指摘している。これからは、「教員と学生が意思疎通を図りつつ、一緒になって切磋琢磨し、相互に刺激を与えながら知的に成長する場を創り、学生が主体的に問題を発見し解を見出していく能動的学修」を「アクティブ・ラーニング」と定義し、アクティブ・ラーニング型授業へのパラダイムシフトの必要性を強調している。
本ラウンドテーブルではアクティブ・ラーニングの要点(特性・ねらい・求められる成果 等)を確認し、現行の大学体育はアクティブ・ラーニングになり得ているのかについて、先行事例や参加者の実践例を基に検討する。
さらに、大学体育におけるアクティブ・ラーニングの展望について議論を行う。
テーマ④「日本版NCAA設立に向けての動向と課題」
企画・話題提供:池田 孝博(福岡県立大学・大学スポーツの振興に関する検討会議タスクフォース)
我が国の大学スポーツが有する人材育成機能やスポーツ資源としての潜在力は、米国などと比較して、十分に生かされているとは言い難い。このような中で文部科学省は、「大学スポーツの振興に関する検討会議」を設置し、平成28年8月に中間とりまとめを行った。さらに、実務者によるタスクフォース会議が設置され、現在、大学横断的かつ競技横断的統括組織(日本版NCAA)の設置に向けた議論が進められている。さらに、大学体育連合においても、これまで大阪(12月)および東京(1月)の2度にわたり、大学スポーツマネジメント研究会を開催し、地域レベルでそこに根差した日本版NCAAの在り方について情報・意見交換を行ってきた。本ラウンドテーブルでは、これらにおけるこれまでの議論の動向等についての情報提供を行うとともに、九州地区における今後の課題について議論を行う。